設計の進め方 Q&A
山本プランニングでの設計の進め方について、当事務所の開設以来お客様からご相談を受けた内容をまとめたQ&A方式でご説明いたします。
1. 事前相談(設計契約前)
※ 契約前のご相談は、基本的に料金はかかりません。
- 土地探しから相談に乗ってもらえますか?
大丈夫です。実際に土地探しからご相談を受けるケースは多いです。「希望の地域はあるが、なかなか土地が見つからない」「気に入った土地はあるが、建築する上で問題が無いか見て欲しい」といったご相談に、設計者の視点から法律問題・売買のポイントなどのアドバイスをいたします。また、信頼のおける不動産業のかたをご紹介することも可能です。
- どんな家が建つか不安です。実際に建っている住宅を見てみたいのですが?
完成した住宅を見学することができます。実際にお住まいのお客様にご協力いただいて、家の中をご覧いただくことも可能です。空間体験を楽しんで頂くと同時に、建て主さんの体験談も参考になると思います。
- 設計事務所の設計と、ハウスメーカーや工務店の設計は、何が違うのですか?
デザイン性・空間の心地良さ・品質確保、これらを実現するために重要なポイントがあります。それは「設計を誰に依頼するか(=誰と契約するか)」です。具体的なイメージをまとめていますので【設計事務所との家づくり】をご覧下さい。山本プランニングの設計に取り組む姿勢となります。
- 「設計事務所」や「建築家」に依頼すると、料金が高いイメージがあります。実際はどうなのでしょう?
私たちが手がけてきた住宅の坪単価は65万円~75万円の価格帯が多いです。設計監理料を加えても、大手ハウスメーカーと比べて低めの金額です。大手ハウスメーカーで予算が折り合わなかったにもかかわらず、当事務所にご依頼いただき実現した物件が何棟もあります。
ハウスメーカーの場合、開発費・広告宣伝費・営業経費がすべて建設費に含まれます。私達は余計な経費をかけずコストコントロールを行い、より良い住宅をつくっていくことを目指しています。建築の空間の質・施工の品質を高め、多くのお客様から「お願いして良かったです!」というお言葉を頂いています。
- 山本プランニングでは、工事も行っていますか?
当事務所は、設計・監理専業の建築設計事務所となっております。申し訳ございませんが工事業務は行っておりません。
- 工事をする施工者が決まっていますが、設計の依頼はできますか?
もちろん大丈夫です。設計図を書くことで、建物の構造・使用材料などを規定することができますので、あらじめ施工者が決まっていても問題ありません。
- 資金計画に当たって、どんな費用がかかるか、坪単価がどれぐらいになるのか教えてほしい。
お客様のご要望を伺って、総予算計画書を作成いたします。過去の実績から「工事費」「設計監理料」「付随する諸費用」を概算し、全体の事業費をご提示いたします。
- 融資を受けたい時、まず何から始めたらいいですか?
「事業全体でどれぐらい資金が必要か」「借り入れ金額はいくらぐらいになるか」を大まかに把握しましょう。次にご自分の一番身近な金融機関のローン担当者にご相談下さい。ご自身に合った金融商品を見つけるために、複数の金融機関に相談してみる事をお勧めします。またフラット35(S)等の融資を受けるための構造については、当事務所にご相談下さい。
- 設計着手から完成まで、どれくらいの期間がかかりますか?
木造住宅の場合、大まかに設計に5ヶ月、工事に5ヶ月の計10ヶ月となります。各工程にかかる期間を短縮することは可能で、基本的にはお客様のスケジュールに沿って進めて参ります。また、設計監理契約は基本設計着手の前にご契約いただきますが、各種の事前相談はご契約前に無料で承っております。
- 遠方に住みながら、青森で家を建てたりリフォームしたりするのは難しいでしょうか?
大丈夫です。実際に青森県外在住のお客様からのご依頼も多数あります。現場のチェックなどもお客様に代わって行うことができますので、安心してお任せください。
2. 設計料と設計監理契約
- 設計料はいくらぐらいになるのですか?
工事規模・構造種別・諸経費(交通費)などの条件により算定しておりますが、当事務所における設計監理料の実績は、一般的な木造戸建住宅を新築する場合、工事金額の概ね8%~10%となっています。
この金額には、基本計画(模型作成含む)、詳細設計、工事見積り金額のチェック、工事監理までの内容を含みます。また建築基準法で定められた各種手続きとして確認申請書の作成をはじめ、工事の中間時や完了時における検査の申請及び立会いも含みます。(ただし、各種の申請手数料・地質調査料は別途となります。住宅金融支援機構の「フラット35(S)」等をご利用の方は、設計審査・現場検査に別途手数料が発生する場合があります。)
- 契約書の内容を知りたいのですが?
契約書は「四会連合協定 建築設計・監理業務委託契約書」を採用しています。この契約書の中には、作成図面の種類や監理業務の確認事項が分かりやすく書かれています。
- 設計監理料の支払いのタイミングは?
当事務所では、各段階の業務が完了した時点で料金をご請求いたします。前払い金を頂くことはございません。お支払い時期の目安としては下記の通りです。
第1回目 基本設計完了時(設計の中間地点): 全体契約額の1/3
第2回目 詳細設計完了時(設計業務完了時): 全体契約額の1/3
第3回目 工事完了時(引渡し): 全体契約額の1/3
銀行融資の関係などで、第1回目のお支払い時期が遅くなる場合は、お客様のご都合に合わせることも可能ですのでご相談下さい。
3. 設計期間中
- 自分の持っているイメージを、どの様に伝えたらいいでしょうか?
雑誌やインターネットでもよいので、気になる写真や画像が見つかったらどんどんお伝え下さい。思いつくままを箇条書きにしたメモでも大丈夫です。基本的には私たちが会話を通じてご要望を形にしていきますが、一緒に楽しみながらイメージを共有していきましょう。
- 自分で間取りを考えて書いてみました。見せても大丈夫でしょうか?
もちろん大丈夫です。お客様が一生懸命考えた間取りは、的を射ていることも多いですし、設計を進める上で大事な要素が含まれています。お互いの思いを出し合ってこそ、良い住宅になっていきます。
- 計画の途中で間取りの変更をお願いしても大丈夫ですか?ちょっと心配です。
計画中の変更は問題ありません。変更や改善を加えて、より良い住宅にしていきましょう。遠慮なさらずにご相談下さい。
- 打合せは、どれ位のペースで行われますか。1週間に一度ぐらいでしょうか?
概ね2週間に一度ぐらいのペースで打合せをお願いしています。その時々で打合せのペースも変化しますし、メールでのやり取りが連続することもしばしばあります。
- 打合せを土曜日、日曜日にお願いしたいのですが・・・。
土曜日の打合せは問題ありません。(実際、打合せが一番多いのは土曜日です。)お客様のご都合で、日曜日しか時間が取れない場合には日曜日でも対応いたします。極力お客様の予定に合わせて調整いたします。
4. 工事施工者選定
- 信頼できる施工者を紹介してほしい。
青森県内全域で、お客様にフィットする施工者をご紹介できます。設計内容を理解し、より良い建築をつくる熱意を持った方をご紹介いたします。
- 施工者に特別な技能は必要でしょうか?
設計図をご理解いただけることが最も重要です。当事務所の設計図は、一般の木造住宅でもA3サイズの図面が50枚以上のボリュームになりますので、根気よく取り組んでいただける姿勢も必要と考えています。
- 分離発注を希望しています。対応していますか?
分離発注の程度によります。建築工事と分離しやすい「電気工事」や「給排水工事」などを分離することは問題ありません。しかし、建築工事を細分化(基礎工事・大工工事・板金工事・内装工事などにバラバラにする)することは、品質や工程管理に支障を来たす可能性があるため、当事務所としてはお勧めしておりません。
5. 工事費見積・工事請負契約
- 数社(2~3社)に見積をお願いし比較検討したいのですが。
複数見積も可能です。工事内容は設計図へ詳細に記載していますので、同じ条件での見積金額を比較検討することができます。(公共工事の発注形態と類似した方法です。)この際に、あまり範囲を広げすぎると収拾がつかなくなりますので、3社以内にとどめる事をお勧めします。
- 見積金額が、高いのか適正なのか判断が付きません。
お客様に代わって、私たちが金額の精査を行います。多くの物件の経験を生かして、過去のデータや現在の価格動向を踏まえながらきちんとチェックしていきます。
- 見積金額が、予算オーバーしたときの調整方法は?
設計には多くのご要望を取り込んでいきますので、予算オーバーになることもあります。その際は設計趣旨を変えない事を大前提とし、[1]施工者との価格交渉 [2]施工者からの金額圧縮提案を受ける [3]設計内容の中で金額圧縮項目をリストアップする、というように優先順位をつけたステップを踏んで、金額調整を行っていきます。
- 工事請負契約時の注意点は?
1.【工事代金の支払い時期】 2.【瑕疵担保期間】の2点にご注意下さい。
まず1.の【工事代金の支払い時期】については、施工側の考え方にもよりますが、概ね次のようになっています。
第1回目 着工時 : 全体契約額の1/3
第2回目 上棟時(屋根・構造体完成時): 全体契約額の1/3
第3回目 工事完了時(引渡し): 全体契約額の1/3
(施工会社によって若干の違いがあります。)
※工事代金において注意すべき点は「支払い過ぎない」ことです。過剰に支払いをしてしまうと、施工会社に万一の事があった場合、お客様の被害が大きくなります。第1回目の支払額を大きく要求してくる場合は注意が必要です。
次に2.の【瑕疵担保期間】ですが、仕上げに係る範囲は2年(契約書によっては1年)、構造・雨漏りについては10年が一般的です。保証内容をよく確認しておきましょう。
- 後になって、工事費の追加請求をされたりしないですか?
工事請負契約は「設計図に従って建物をつくること」という契約です。この契約時点がスタートラインとなります。設計図から内容に変更がない場合は、追加請求は発生しません。そして契約後に、設計図に無かったものを追加すると基本的には「増額」、減った場合には「減額」となります。契約時(=スタートライン)からの増減で精算することとなります。
6. 工事期間中
- 現場の施工確認は、どの様なタイミングで行うのですか?
契約書の中で、具体的な施工確認内容を明記しています。一軒の家を完成させるまでに20回以上現場に足を運んで、専門的な知見を基に工事監理し、その都度お客様にご報告いたします。
- 仕上げ材の変更や棚板の追加は可能ですか?
変更内容の大小にもよりますが、仕上げ材の変更や棚板の追加は大丈夫です(間取りの変更や高さの変更になると、対応が難しいケースもあります)。材料の発注前であればご要望に沿って対応が可能ですので、「早め早め」にお伝えいただくことがポイントです。
- 外壁の色やタイル、塗装色、クロスなどは、どのように決めていくのですか?
設計時のイメージに合わせ、設計者より案をご提示します。外壁はサンプルを取り寄せ、現場でお客様と確認した上で決定します。その他の仕上げ材も、サンプルやカタログをご確認いただき、お客様の承諾をいただいた上で工事を進めていきます。
- 自分で買った照明器具を付けたいのですが?
設計期間中にお伝えいただければ大丈夫です。施工者には、照明の取付けのみお願いすることになります。
- カーテン・ブラインドはいつ頃選定しますか?
概ね、お引越しの10日前には注文します(製作に7日から10日要します)ので、お引越しの20日ぐらい前に、お客様と私たち設計者とで選定を行います。カーテン・ブラインド・ロールスクリーン、いずれも種類が多く操作方法も複雑です。選ぶのに慣れていないと選定には難しさがありますので、私たちと選定いただくことをお勧めします。
7. 完成・引渡し
- 建物完成時にはどんな事をするのですか?
【完成検査】および【鍵と書類の引渡し】です。
【完成検査】とはお客様と設計事務所がいっしょに、建物の不具合や汚れが無いか、ボイラーはきちんと作動するか等の最終チェックを行います。そのチェック項目に従って施工者が手直しを行った後、建物のお引渡しとなります。
【鍵と書類の引渡し】とは、建物の「鍵」をお客様にお渡しすることです。この時点でお客様へのお引渡しとなります。合わせて「完成書類」(Q&A次項参照)もお渡しします。
- 【完成書類】とはどんなものですか?
設計事務所からは、建築基準法にかかわる書類一式、施工者からは、説明書・保証書・工事写真等が引き渡されます。重要な書類ですので、大切に保管下さい。
8. 完成後
- 定期検査や手直しはどうなりますか?
定期検査や不具合(=瑕疵)の手直しは、施工者の責務となりますが、必要に応じて私たちも同席します。1年目では、ドアの調整やクロス・塗装の補修が行われることが多いです。2年目は、仕上げ材の瑕疵責任期間が終了となる場合が多い(詳しくは工事請負契約書によります)ので、契約に基づいて検査や手直しを依頼しましょう。
- 暖房の調整方法など、細かな相談をしても大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。特に完成後の1年は初めての冬を迎える事もあり、結露・部屋の空気の乾燥・暖房の調整方法など、住んでから初めて体験することがたくさんあります。私たちから快適に住みこなすためのアドバイスをしていきますのでご安心下さい。高気密高断熱住宅が安定した環境になるには2年程度かかります。一緒に取り組んでいきましょう。
- 雨漏り・構造上の問題は10年まで保険で保証されると聞きましたが、そうなのですか?
住宅瑕疵担保履行法により、住宅のうち特に重要な部分について10年間の瑕疵担保責任を、住宅供給業者へ義務付けています。
この法律を、分かりやすく説明すると「瑕疵を補修する責任のある業者が倒産しても、購入者が補修費用等を負担しないですむ」というものです。平成21年10月1日以降に完成した住宅は、この保険への加入が義務付けられています。
詳しくは住宅瑕疵担保責任保険協会ホームページをご覧下さい。青森県内の行政機関や(株)建築住宅センターにもパンフレットがあります。
- メンテナンス等は誰に相談すればよいでしょう?
メンテナンスについては、私たち設計者もしくは施工者にご相談下さい。ケースバイケースで適切なアドバイスをいたします。
例として、4年目の冬に急に結露が発生するようになったというご相談を受けました。伺って状況を確認したところ、換気扇の目詰まりが原因と分かり、掃除することで解決した事例もあります。専門的な観点からアドバイスしていきますのでご安心下さい。
- 「外壁は10年に1度、手を入れたほうがいい」と聞きましたが、実際はどうですか?
モルタルやサイディング系外壁の場合、防水性能が弱くなってきますので、10年から15年に一度、再塗装する事をお勧めします。ガルバリウム鋼板の場合は耐候性に優れているので、15年以上メンテナンスフリーで使えることが多いです。 海に近いなどの条件で劣化度が異なってきますので、私たち専門家にご相談下さい。
- 屋根を塗装している光景を良く見かけますが、塗りなおしをしたほうがいいでしょうか?
現在、屋根材料として使われているガルバリウム鋼板は、メッキの性能が優れているため、昔ほど頻繁に塗装する必要はありません。逆にメッキが強くて塗料をはじいてしまうこともあります。屋根面に錆が見られるようになったら、塗装を考えるタイミングとなります。