【 自分の好きな暮らしと空間をつくる、部分リフォーム 】

25年経過したキッチンとトイレ、新築当時は「最新鋭」でした。毎日使っていると、その古さに気づかないものですが、おしゃれなキッチンや素敵なトイレを体験すると「我が家もそろそろリフォーム時かな…」と思い始めました。そこで今の暮らしにあった、今の自分が好きな空間へチェンジすることに。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真1

1.「カフェのようなキッチン」へ

自分の好きな暮らしと空間をつくる 工事写真1

元々のキッチンはTOTOのI型 L2550のシステムキッチン。25年経っていますが、ガスコンロ・レンジフード・食洗機といった機器は交換しながら使っています。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 工事写真2

背面壁にはその都度買い足した食器棚や家電が並びます。左から30年前に買ったヨドコウのレンジ台(丈夫です)、市内の家具店で購入したカップボード、実家のお下がりの食器棚と見事にバラバラです。

さて目指したいのは「カフェのようなキッチン」。何を収納して何を見せるとおしゃれなのか、思考を重ねて4つの方針を立てました。

1. 鍋・フライパンなどの調理器具は見せる収納に
よく使うものはすぐ使える位置に。オープン棚に並べても美しくに見えるように、アイテムは鉄・ステンレス・鋳物・陶器といった劣化しない素材や天然素材のものをできるだけセレクトする。

2. 食品ストックはシンク下へ収納する
パスタ・粉もの・調味料などは小分け瓶に普段使う量を入れて出しておき、ストックはシンク下へ収納。食材のカラフルな包装材が目につかず、紫外線による劣化も防げる。

3. カウンターとオープン棚は、無垢材×アイアンでつくる
見せる収納の美しさには素材の力強さが大事。カウンターとオープン棚は無垢材でつくり、金物にはアイアンを。カウンターの上に置く家電は吟味し、調理や配膳に使える面積を多く残せるよう長さや奥行きを決定。

4. スケルトンな仕組みをデザイン
ライフスタイルの変化に合わせられるようにあえて作り込まず、これからも自分でプチリニューアルを楽しめる仕組みをデザインする。

これらの方針を踏まえて出来上がったキッチンがこちらです。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真1
棚板クリ材 L1980 D210 t20 UC塗装(製作)
棚受け金物toolbox 棒棚受け 角180 @900
カウンタークリ材 L2200 D550 t30 H900 UC塗装(製作)
カウンター脚スチール製16mm角パイプ加工 L870 黒皮風塗装(製作)
カウンター下無印良品 ステンレスシェルフ L860×2 D410 H830
スイッチ・コンセントtoolbox メタルスイッチプレート アルミ+GY
グレー色(日本塗装工業会 標準色 EN-87)EP塗装
自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真2

WECKのガラスキャニスターに小麦粉、片栗粉などを入れています。ガラス蓋は載せるだけでいいので調理時にとても便利。インスタントコーヒーやマリームなど湿気てほしくないものは、ガラス蓋ではなくプラスチック蓋を使用しています。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真3

オープン収納はほこりも気になるところです。鍋やフライパンは蓋とセットで置き、並べる食器は毎日使うものだけに。「使える厨房」としては、今のところこれがベストな選択です。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真4

トングやおたまなどの調理道具も、カウンター上に置いたらとても使い勝手がよくなりました。夕食調理中にはバルミューダのLEDランタンを灯すだけで、週末の別荘を楽しんでいるかのような気分に。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真5

システムキッチンの下の様子。引出し式のワイヤーラックにしたら、食材の在庫管理が一目でできるように。右は元々のラック、左は無印のステンレスシェルフ(L580 D410 H460)をセット。「調理器具をシンク下の収納に」という固定観念を変えた結果です。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真6

もう一つ『米びつ』をどうするか?ガラス容器に保存する、冷蔵庫用の米びつに入れるなど多くの選択肢がありますが、ひとまず袋のままシンク下に置き、計量カップですくって使っています。米は5kg袋で買っているので、袋ごと調理台にヒョイと持ち上げて、計量カップですくうことも苦ではありません。計量カップだと2.5合とか好きな量を計れて重宝です。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真7

キッチンばさみなど手元に欲しい小物は、シンク前のアイアンバーに吊るしています。ボトル洗いなど、水滴が落ちるものも安心して掛けられます。
キッチンをリニューアルして、下ごしらえ・調理・配膳・片付け・食材管理のすべてが快適に、見た目もオシャレに暮らせるようになりました。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 工事写真3

発想の転換とデザイン力で実践したキッチンリフォーム。掛かった費用は以下の通りです。(設計デザイン料は別途)

クリ材カウンタ―と棚板2段+鉄脚¥ 165,000(取付費含む)
ステンレスシェルフ(カウンター下)¥ 48,310(無印良品)
ステンレスシェルフ(キッチンシンク下)¥ 16,340(無印良品)
電気スイッチプレート、棚受け金物¥ 28,260(toolbox)
壁の塗装(エマルジョンペイント)¥ 50,000(塗装屋さんに依頼)

2.「嬉しくなるトイレ」

25年使ったトイレのリフォーム。当時は便器ばかりに気を取られていましたが、今回は床・壁の材料、紙巻にもこだわりを持って設計しました。リフォーム前のトイレはこんな感じです。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 工事写真11

当時としてはロータンク一体型のカッコいい便器でしたが、25年経つとくたびれた感が出ます。 壁クロスと床材も見直し、トイレに入るたびに「嬉しくなる」トイレを目指してリフォームしました。

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真11

洋便器  TOTO ネオレスト RH1
紙巻   KAWAJUN ガラス棚付ペーパーホルダー SC-273-XC
小物収納 TOTO フロア収納キャビネット 埋込ワイドタイプ
床材   TOTO セラミック床材 ハイドロセラ・フロアJ
壁タイル スタイルストーン ガラスモザイクタイル アーバンライム15角
その他壁 クロス貼り

自分の好きな暮らしと空間をつくる 内観写真12

建築材料として、ガラスタイルや陶器・メタルを採用。トイレに入るときパチっと電気をつけると、光を反射してキラキラする華やかさが「嬉しい!」。トイレ内を清潔に保つには、床の清掃性・便器の耐久性が特に大切ですが、タイルの輝きも効果抜群でした。

気づかないうちに古くなっていたり、生活スタイルや好みに合わなくなった空間を改善する部分リフォーム。今の暮らしに必要なものは何か、今後はどのような暮らしをしたいかということを考えるいい機会になりました。次はどこをリフォームするか楽しく考察中です。

<< 建築事例集〈住宅 リフォーム編〉一覧へ戻る

TOP