【 公園前の家 】
道路を挟んで東側に公園が広がる2階建ての家です。近隣は年月の経過した住宅地。この住宅が建つことで、周辺が明るい雰囲気になるよう外観は白とし、高さも低めに抑えて周囲により太陽光が届くように配慮しています。
中央アプローチの先にある風除室ドアはブルーに塗装されていて、白い建物によく映えます。右側の大きな窓がリビング、左側はビルトインガレージ。ガレージ上部はバルコニーになっていて公園を一望することができます。
道路に面した大きな窓にはドイツ製の外付けブラインドが設置されていて、夏の日射を窓の外側でコントロールします。また宙に浮いている目隠し壁は、道路から室内への視線を遮ってくれます。
玄関ドアを入ると、公園の風景と太陽光を取り込んだ明るい空間が現れます。
リビングは天井が吹き抜けのように高く、2階とつながっている大きな空間です。この2階の窓から入る光も、リビング奥深くまで明るく照らします。フローリングには床暖房が入っているので、冬でも暖かくて快適。
リビングの窓からは公園の木々や青空が一面に見渡せます。下段の窓は開けて風を通すことができ、窓辺のベンチスペースに座ってくつろぐこともできます。窓の左側は、眩しくないように壁で軽く仕切ってワーキングスペースに。
道路側は眺めのよいパブリックゾーンで天井も高くなっていますが、敷地の形状に合わせて奥に細長いプランになっているこの住宅は、家の奥に進むほどプライベート度が上がり、天井も低く抑えた落ち着きのある雰囲気になります。
キッチンには、アイランド型のシステムキッチンが家具のように置かれています。また、目線に近い高さになった天井は木の梁を細かい間隔で並べて現したものとし、木造の繊細さや温もりが感じられます。
システムキッチンのステンレス×ホワイトの雰囲気に合わせて、後ろの食器棚やカウンター収納はステンレス板と白色メラミン化粧板を用いて造り付け、統一感のある仕上がりにしています。
キッチンエリアの向こうには、寝室やウォークインクローゼットなどのプライベートエリアがゲートをくぐるように奥へと続いています。
庭に面した陽当たりのいいエリアには水廻りがあります。
洗面化粧台や洗濯機スペースと一緒に、物干しや衣類の収納棚が並んでいます。脱衣、洗濯、収納がまとまっていて家事の負担が軽減されます。
キッチンからは、道路側の公園の緑だけでなく、我が家の庭も正面に見ることができます。
2階へ上る階段は黒いスチールと木の板で組んだオープンスタイルで、窓の景色を妨げることなく空間のアクセントに。緩やかな勾配で段数も少なく、昇り降りがしやすいようになっています。
2階の部屋の窓は、南を向いた大きな窓。その明るい窓から光と風を取り込み、道路側の窓から奥行きのある1階のLDKへ拡散する手法をとっています。
ガレージ上のバルコニーには2階のこの窓から出ることができます。隣の家側に立てた白い壁が光を反射するスクリーンにもなります。
リビング側の障子を閉めると、2階は独立した個室として使うことができます。障子は優しい雰囲気の太鼓張りになっていて、リビング側に光を均一に拡散してくれます。
1階と同様に、2階からも街中とは思えない素晴らしい眺めが眼の前に広がります。公園の前という立地を最大限に活かしつつ、自由に暮らせる工夫を凝らした家です。